【感想】『ツバキ文具店』小川糸著:年齢バラバラな人間関係が温かくてご飯が美味しそう

小説
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『ツバキ文具店』は私にとって心温まる本です。

鎌倉で代書を請け負う主人公鳩子を取り巻く、温かな人間模様はとても羨ましく、私にも年齢の離れた友人が欲しいなぁと思わせられました。

以下、『ツバキ文具店』の紹介と感想です。

『ツバキ文具店』の書誌情報

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  • 2018年8月5日 初版発行
  • 著者:小川糸
  • 発行所:幻冬舎

あらすじ

鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

『ツバキ文具店』裏表紙より

感想

なんとなく漠然と、優しさと寂しさが漂う作品だなぁと思って読んでいました。

ところが、終盤にかけて鳩子の先代への気持ちの整理が加速していくのを眺め、この本は、鳩子が先代に対して思っていた恨み、辛み、悲しみ、寂しさ、苦しみの供養と、この先を生きていくための温かく優しい思い出にアクセスするまでの道のりなのだと気づきました。

バーバラ婦人

この作品の年齢にこだわらない友人関係がとても素敵でした。

特に、私のお気に入りの人物は「バーバラ婦人」です。彼女は、鳩子のお隣さんで、いつも活発に行動している元気なおばあちゃんです。鳩子は、「大人になって一度鎌倉を離れて再び戻ると、妙に馬が合うようになり、親しく交流するようになった」(p.41)らしいです。よく一緒に朝ごはんや夕食に出かけていて、なんだかとても楽しそうなのが良かったです。

バーバラ婦人のいくつになっても人生を楽しもうとする姿勢も非常に好感を持ち、私も年齢を重ねたらバーバラ婦人のようになりたいなと思いました。なれるかな……。

QPちゃん

バーバラ婦人と同じくらい好きなのが「QPちゃん」です。

QPちゃんは終盤に出てくる小さな女の子ですが、なんと、鏡文字の達人です。間違えて書いちゃってるんですが、逆に難しいことをやってのけているのですごい。

鳩子とQPちゃんは文通をするんですが、とても微笑ましくて和みます。QPちゃんが良い子過ぎるんです。

バーバラ婦人は年齢が上に離れた友人ですが、QPちゃんは年齢が下に離れた友人です。すごい幅ですが、みんな仲良くていい感じです。

他にもたくさん魅力的な人物がいるのですが、それはみなさんご自身の目でお確かめください。

『ツバキ文具店』は続編があり、『キラキラ共和国』という名で本作の世界が続いていくので、本作を気に入った方にはそちらもおすすめです。

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ちなみに、『ツバキ文具店』はNHKでドラマにもなっているので、気になる方はそちらもチェックしてみるといいでしょう。鳩子役は多部未華子さんです。

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パラパラ漫画

ちょっとしたおまけ要素ですが、ページ左下にイラストが描いてあって、作中の季節に連動したパラパラ漫画になっていました。

本当におまけ要素って感じですけど、全部読み終わってから見てみると感慨深いです。何のイラストかはご自身の目で確認してほしいです。

まとめ

『ツバキ文具店』はストーリーが面白い!という本ではなくて、鳩子を取り巻く人物の魅力や温かさ、代書の仕事を通じて何を思うのかというところに魅力のある作品だと思います。

代書に関する知識も少し得られるので学びもありますし、最近では手紙を書く人はめっきり減ってしまったでしょうが、手紙の温かさや役割を知る機会にもなります。

なかなか私は好きな作品です。

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