自作キーボードって難しそう、と思いながらも気になっていて、ある日Boothを眺めていたらKudox rev3という分離型キーボードキットを見つけて勢いで買った。はんだ付けは人生初、個人輸入も初、なのにいきなりキット組み立てに挑戦した記録です。
失敗もそれなりにしたので、これから自作キーボードキットに挑もうとしている人の参考になれば。所要時間は休憩込みで合計6時間ほどでした。
自作キーボードキットを組む前に知っておきたいこと
今回作ったキット:Kudox rev3とは
くまお工房さんがBoothで販売している左右分離型キーボードキット。Row-Staggered(一般的なキー配列のずれがある)タイプで、分離型の中では使いやすい部類。基板色が白いモデルを選んだ。

キットに含まれないもの・自分で用意するもの
Kudox rev3の基本セットには基板・ケース・ProMicro・ダイオード等が含まれているが、キースイッチとキーキャップは別途自分で用意する必要がある。そして組み立てるための道具一式も当然ない。この2点が初心者にとって最初のつまずきポイントになる(後述するがキーキャップ購入でやらかした)。
道具をAmazonで揃える【初心者こそ良いものを】
はんだごて、はんだ、リードベンダー、ニッパー、2液混合タイプの接着剤などを一気に揃えた。
はんだごて:白光 FX600
白光の温度調節ができるはんだごてが良いとよく聞くので、初心者だからこそ良い道具をという判断で購入。これは正解だったと思っている。温度管理ができないと基板にダメージを与えるリスクがあるし、そもそもはんだの乗りが安定しない。
はんだ:goot SD-60
ヤニ入りで集積基板用のもの。これを一本丸ごと使い切ったのだが、おそらくはんだの盛り過ぎだったと思う。適量を意識するだけで消費量はかなり変わるはず。
リードベンダー:サンハヤト RB-5
ダイオードを68個曲げる作業があるので購入。必須ではないが、リードベンダーありでもダイオード68個曲げは正直しんどかった。ないと発狂していたと思うので買って正解だった。
ニッパー:エンジニア NS-04
本当は飛散防止タイプが欲しかった(針金が飛び散るので)がケチった。少なくとも切れ味が良いほうがケガをしないと思う。次に作るときは飛散防止タイプにする。
接着剤:セメダイン エポキシ系 30分硬化型
ProMicroのもげ防止用。基板からUSBがぽろっと取れてしまうのを防ぐために使う。30分硬化型を選んだのは、うっかり塗りたくない場所にまで液が付いてしまった場合に拭き取って修正できるから。手先が器用な人は5分タイプのほうが楽かもしれない。
参考までに5分硬化型はこちら。
キーキャップをKBD Fansで購入するも、盛大にやらかす
キースイッチとキーキャップは自分で用意する必要があるので、KBD Fansで初めての個人輸入をした。そしたらまあ、ものの見事にキーキャップ選びに失敗した。
届いたのがこれ。

ひらがなキーキャップが届いた。間違えてひらがなのものを注文していた。
何が起きたかというと、商品ページでキーキャップの種類を選ぶ際に「KIT1」を選んでしまっていた。購入当時はこれしか在庫が残っていなかったようで、写真にはBASE KITが1枚目に載っていたのでそれが届くと思い込んでいた。よく確認しなかったのが完全に落ち度。


KBD Fansで海外から取り寄せる場合、商品バリエーションの選択肢をちゃんと確認しないとこういうことになる。在庫が少ない商品は特に注意が必要で、表示されているメイン画像と実際に選択されているバリアントが違う場合がある。
仕方ないのでキーキャップだけTALP KEYBOARDさんで買い直した。ひらがなキーキャップはいつかアクセントとして使いたい(前向き)。
キースイッチ:Novelkeys × Kailh Cream Switch
キースイッチはNovelkeys × KailhのCream Switchを選んだ。打鍵感はすこすこで、Cherry茶軸より柔らかい感じ。
【2024年3月 長期使用レポート】
Cream Switchは入手難度が上がったが、誤タイプが多いわりに打ち心地が好きで使い続けている。Cherry茶軸も使っているが、あの引っかかる感じが疲れにつながる。Cream Switchについて改めて調べてみたところ、押下圧が55gと実は重め。ふにゃふにゃな感触だから気が付かなかったが、意識してみると打つときに反発を感じる。それでも愛してるキースイッチ。
他の人はバネを45gに変えたりルブしたりしているのをよく見かける。ルブしたら絶対さらに良くなるんだろうとは思うが、ルブスプレーは詰まりに繋がるなど賛否両論あるし、手でルブするのも腰が重くてまだやっていない。
初めてのはんだ付け:ヤニが汚いの巻
はんだ付けは人生初。右も左もわからないままぶっつけ本番でやった。
そしたら、はんだを盛っている面の裏側にまではんだが流れ込んでしまい、裏面まではんだがてんこ盛りになった。表面もヤニでいっぱい。



黄色っぽくはみ出しているのがヤニ(フラックス)。ダイオードがはんだで埋まってしまわなかったのは不幸中の幸い。
このヤニ、フラックスクリーナーで綺麗にできることを組み立て後に知った。Kudox rev3はアクリル板がケースの役割を担っているので基板の汚さがそのまま透けて見える。次に作るときは組み立て前にフラックスクリーナーを用意しておく。
また、はんだ付け中にはんだの減りが早すぎてかなり焦った。gootのはんだを一本丸まる使い切ってしまったが、これはおそらくはんだの盛り過ぎが原因。適量はランドがきれいに覆われる程度で、山盛りにする必要はない。
何はともあれKudox rev3、完成
紆余曲折あったが、何とか完成した。

Babyキーキャップがいい感じに可愛らしい仕上がりになった。元々はアイスクリーム柄のキーキャップを買うはずだったが、これはこれで好き。初自作キットがすんなり動いたのはうれしい。所要時間は合計6時間ほど(途中休憩あり)。
QMK Toolboxでキーマップをカスタマイズする
Kudox rev3はQMK Firmwareを使用しているが、ファームウェアを直接ビルドするのは初心者には敷居が高い。そこでQMK Toolboxを使った。
流れとしては以下の通り。
- QMK Toolboxのリリースページから最新版をダウンロードしてインストールする
- QMK Configurator(ブラウザで動くWebアプリ)でキーボードを選択し、GUIでキーマップを作成する
- QMK ConfiguratorでファームウェアファイルをコンパイルしてダウンロードするConfigure
- QMK Toolboxで基板をリセットモードにしてから、ダウンロードしたファームウェアを書き込む
QMK Configuratorはグラフィカルに操作できるので初心者向け。キー数が少ない分離型なので、レイヤーも使いながらFunctionキーやPrintScreenなども詰め込んだ。手が小さいのでスペースキーとWindowsキーの位置を入れ替えたりと、試行錯誤しながら自分好みに育てていけるのが自作キーボードの面白いところ。
初心者がKudox rev3を作ってわかったこと【まとめ】
やって良かったこと・正解だった判断
- はんだごてはケチらなかった(FX600は温度管理ができて初心者に向いている)
- 接着剤は30分硬化型にした(修正の余裕があって助かった)
- リードベンダーを買った(ダイオード68個は絶対に必要)
- QMK Configuratorでキーマップ変更をした(ファームウェアビルド不要で楽)
次に作るときに改善したいこと
- フラックスクリーナーを事前に用意する(ヤニはあとから取れる)
- はんだは適量を意識する(盛り過ぎると一本消えた)
- ニッパーは飛散防止タイプにする
- 海外通販のキーキャップはバリアントをよく確認する
自作キーボードは失敗してもリカバリーしながら完成させられるのが良い。何より動いたときの達成感がある。Kudox rev3は初心者が最初に選ぶキットとして悪くない選択だった。








コメント