漫画や小説は最後まで読み切る作品を選ぶねこどんです。
漫画『恋は雨上がりのように』を読み切ったので、感想をまとめてみようと思います。
この作品は、アニメ化や映画化までされていて、なにかと話題になりましたね。
作品の概要と人物紹介、それから個人的な感想の順で書いていきます!
『恋は雨上がりのように』の概要・あらすじ
この作品は、17歳の女子高生が、冴えないファミレス店長のおじさんに恋をする姿を中心に、青春や、夢から逃げる人間の心情を描いています。
かなりの年の差があるのですが、やましい関係にまではならないので、そこそこ安心して読み進めることができました。
作者は眉月じゅんさん。
単行本は全10巻です。
物語の大まかな説明はこんな感じです↓
少女17歳。片想い相手は冴えないおじさん
橘あきら。17歳。高校2年生。
感情表現が少ないクールな彼女が、胸に秘めし恋。
その相手はバイト先のファミレス店長。ちょっと寝ぐせがついてて、
たまにチャックが開いてて、
後頭部には10円ハゲのある
そんな冴えないおじさん。青春の交差点で立ち止まったままの彼女と
人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす
小さな恋のものがたり。(出典:Amazon商品ページ)
『恋は雨上がりのように』の主要な登場人物
橘 あきら(17歳):主人公兼ヒロイン。黒髪ロングの凛とした顔の女子高生。表情が乏しく、よく怒っていると誤解される。陸上部に所属しており、短距離走でかなり優秀な成績を修めていたが、アキレス腱を切るケガをしたことがきっかけで走ることから距離を置くようになった。物語の序盤では、陸上部に行かなくなった分、近藤が勤めるファミリーレストランでアルバイトにいそしむようになった。夢から目を背けている状態である。
近藤 正己(45歳):もう一人の主人公。冴えないファミレス店長とは彼のことである。何かお客に怒られたらひたすらヘコヘコ謝ったり、あまり仕事ができるタイプではない点などから、ファミレスのパートやアルバイトからはかなり下に見られている。結婚はしていたが離婚。小学生の息子がいる。純文学が好きで、学生の頃は自身で小説を書いており、40歳を過ぎてからも書き続けている。夢を捨てられない、捨てきれない、そんな人間である。
個人的な感想
この作品では、あきらと近藤の夢との距離、夢への思い、夢に向き合えない葛藤が描かれています。
17歳青春ど真ん中のあきらと、45歳人生折り返し地点のおじさんをぶつけるなんて、おもしろいことをしますよね。
歳の差といえば、小説『センセイの鞄』を思い出しました。
この作品のしっとり具合とは違った、静かだけど青春ゆえの熱さが『恋は雨上がりのように』にはあるように思います。
非常に落ち着いた歳の差恋愛を味わいたいなら『センセイの鞄』、青春、夢や歳の差に対する葛藤を味わいたいなら『恋は雨上がりのように』がおすすめですね。
瑞々しいというか、初々しいあきらに対して、おじさんの擦れっぷりときたら…
人間はいくつになっても、何かしらの葛藤は抱き続けるのかなあと考えさせられました。
擦れたおじさんからすれば、あんなに若い女の子に告白とかされても、恐怖を感じますよね。なんで自分が!?とか、お金みたいな別の目的があるんじゃないだろうかと勘繰ったり。
でもあきらさん、本気なんですよねえ。
とはいえ、あきらも得意だった短距離走に向き合えなくなったそのタイミングで、店長に出会い、サービスや手品をして気遣ってくれた店長に惚れて…という感じに、青春の雨宿り的な恋なんですよね。
だから、いくら本気で店長が好きでも、いずれ、その恋から離れる時が来るわけです。
そういう風に考えると、店長はとばっちりのようにも思えます。
だけど、店長も夢と向き合えなくて悩んでいたので、彼にとってもこの恋は雨宿りだったんです。
やはり、若者の純粋な思いや感性に触れることは、おじさんに若さを思い出させる効果があるんでしょうね。
ああ、あの時の俺はー…
あの頃の俺ならこうするかなー…
などなど、若い頃の自分というものが引っ張り出される。
これってすごく大事なことで、夢って追いかけるのにはすごいエネルギーが必要なことだと思うんです。
年齢を重ねていくと、そのエネルギーが足りなくなるから、夢を諦める。
じゃあ、若い頃の気持ち、熱量を思い出せば…?
また、夢に向かっていけるかもしれないですね。
そんなことを考えさせられる作品でした。
アニメも映画もあるよ!
私は漫画を読みましたが、この作品はアニメも映画もあります。
映画は観ていないので何とも言えないのですが、アニメは見ました。
アニメは悪くないのですが、漫画のほうが描写が丁寧で話が入ってきやすい気がします。
というかアニメはあきらが若干、いやすこぶる変態のように見えてしまって…店長の服のにおいをスンスンするシーンとか、アニメにしちゃうと正直きもいですね(笑)
漫画でもだいぶあやしいシーンではありましたが、音と映像があるだけで怖さ5割増しです。
とまあ、そんな感じなので、個人的には漫画をお勧めします!
映画も評判は悪くなさそうなので、観てみると良いと思います。
小松菜奈さんと大泉洋さんが主演です。
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