欲しかった物を買うと、欲しくなくなる。
変な話なのですが、私のガジェット買いはたまにこうなります。
ネットで見つけた小型ゲーム機、昔のカセットを直接挿せる互換機、ゲーム機みたいな見た目をしたDAP。写真を見た瞬間に「なんだこれ」「実物を見てみたい」となって、しばらく頭から離れない。
でも、買って箱を開けて、手に持って、軽く設定して、「なるほど、こういうものか」と分かった時点で満足してしまうことがある。
ゲーム機なら、ゲームを大量に遊ぶ前に満足する。DAPなら、音楽を聴く生活が激変する前に満足する。何をしに買ったんだろうな……。
もちろん、買った後も使い続ける物はあります。仕事で今も使っているキーボードもあるし、旅行や出張に小型機器を持っていくこともある。
ただ、「買った後にちゃんと使うか」より先に、「実物を確認したい」が来ている気がします。
最初に刺さるのは、性能ではなく見た目
私は、見た目が変なガジェットに弱いです。
小さい。透明。変な色。レトロゲーム機っぽい。昔のカセットが入る。用途が少し限定されている。そういう物を見ると、性能表を読む前にまず気になってしまう。
中華ゲーム機も、外出先でレトロゲームを何百時間も遊びたいから買っているわけではありません。昔のゲームカセットを直接挿せる互換機も同じです。
「現代に、昔のカセットを挿して動かせる小さい機械がある」という事実がもう好きです。実用性の話を始める前に、ロマンの席が埋まっている。
もちろん、操作性が悪いとか、OSが分かりにくいとか、ボタンが気持ちよくないとか、そこは普通に気になります。見た目だけで許せるほど心は広くない。でも順番としては、見た目が先。その後で「本当に使えそうか」を確認している感じです。
「所有したい」より「実物を知りたい」
気になった物を買うとき、私は長く愛用する未来を強く想像しているわけではないのかもしれません。
買う。
届く。
箱を開ける。
重さを見る。ボタンを押す。画面をつける。少しセットアップする。
そこで「ふむふむ、こういうことね」となったら、かなり目的が達成されています。
買うこと自体がピークに近い。実際に使う時間が、購入前の興奮を超える物はそんなに多くないです。たぶん、買った物が悪いというより、私の興味が「答え合わせ」に寄りすぎている。
ネット上の写真とレビューだけで膨らんだ「実物どんな感じなんだろう」を、自宅で回収する。これが済むと、脳内でずっと鳴っていた通知が消える感じがあります。
一方で、欲しかったのに買わずに放置すると、その通知がいつの間にか消えることもあります。
最近だと、ゲーム機のような見た目のDAPが気になっていました。しばらく見ていたけれど、買わないでいたら忘れました。欲しかったはずなのに。
欲求、案外ふわふわしている。
コスパが好きなのに、安いだけで買ってしまう
私は安い物が好きです。ただし「安いから失敗しても痛くない」だけではありません。
通常価格よりかなり安い物を見つけると、それ自体でテンションが上がります。本来なら1万円を超えるメカニカルキーボードを、5000円近くで買えたことがありました。
これは普通に良い買い物でした。届いた物の品質もよく、今も仕事で使っています。販売元を見る限りEPOMAKER系と思われる物で、値段と品質のバランスがかなり良かった。
「これだけの物を、この値段で手に入れた」という差に満足する。物そのものが良かったことと、お得に取れたことが両方そろうと、満足度がすごいです。
でも、ここで終われば賢い買い物の話になるのですが、そうはならない。
欲しかったわけではないのに、「これ、めちゃくちゃ安いじゃん」で買って、届いた後に「使わんな~」となる物もあります。
コスパが好きだから安い物を選ぶ。
安い物を見つけると、コスパとは関係なく買う。
このへんから、だいぶ怪しくなってきます。
私が欲しいのは、安さではなく「得した感じ」なのかもしれない
昔、本人確認書類が必要になったときも、私は運転しないのに身分証明書のためだけに運転免許を取るのはコスパが悪いと思いました。
時間もお金もかかるし、運転しないなら免許そのものを使わない。ちょうど発足したばかりのマイナンバーカードを発行して、必要な役目だけを安く済ませた。
ここで言いたいのは、マイナンバーカード最高という話ではありません。
目的に対して、要らないコストを払いたくない。私は昔からたぶんこれが強い。
だから、お得な買い物に興奮するのも、「安い物が好き」というより、投入するお金や時間に対して得られる物が大きい状態が好きなのかもしれません。
ただ、セールで必要のない物まで買ったら、その計算は完全に壊れます。使わない物に5000円払って「定価より安かった!」は、何を得しているのかよく分からない。
それでもポチる日がある。人間、弱い。
高価な物は、買った後にも仕事が発生する
高い物を買うと、私はちょっと構えます。
傷をつけたくない。壊したらショック。せっかく買ったのだから使わなければ、という気持ちが生まれる。
物はたくさん持っていても、全部は使えません。分かっている。分かっているけど、ガジェットは写真を見た瞬間に「これ、よいな……」が発生するので困る。
安い物なら、好奇心を比較的低コストで回収できます。合わなければ、まあ勉強代。持ち歩いて傷がついても、高価な物ほどは怯えずに済む。
もちろん、安い物を無限に増やしてよい理由にはならない。収納場所と充電ケーブルとmicroSDカードは、そんなに無限ではないので……。
買わないで忘れるのも、買って満足するのも、どちらも同じなのかも
気になる。
買う。
実物を確認して満足する。
あるいは、買わない。
放置する。
そのうち忘れる。
私の場合、どちらのルートでも最後には欲求が消えることがあります。
だから「本当に欲しい物だけを買えばいい」と言われても、買う前にはまだ分からない。実物を見ないと消えない欲求もあるし、放っておけば消える欲求もある。しかも、安売りが混ざると判断がさらに狂う。
使わない物を買ってしまうのは、たぶん良くない。でも、届いた物を手に取って「なんだこれ、かわいいな」「思ったより重いな」「このボタンは押しにくいな」と確認して、満足している自分もいる。
それが必要な買い物だったのかは、まだよく分かりません。
ただ、欲しかった物は手元に来ると欲しくなくなる。これは今後もたぶん、何度か起きる気がします。
そして私はまた、変な小型機器の写真を見ていると思います。懲りてはいない。


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